2021年01月29日
三菱地所設計は、改正意匠法により新たな保護の対象となった建
築物の意匠として、同社が設計した「ゼロ動線病棟」が、建築物「病
院」において国内で初めて登録されたと発表しました。
願書の「意匠の特徴」欄〔出願人の記載をそのまま掲載しており、
特許庁は内容について審査をしていません。〕には、スタッフステー
ションと病室が直接接する(隣接)することで看護動線距離が“0”
となる、として次のような記載がされています。
従来の一般的な病院では、我が国の建築基準法等に基づく採光基
準を満たすよう、外部(外気)に面した病室が設けられる。これに
対し、本願意匠は、建築基準法施行令第20条第2項の規定(いわ
ゆる縁側採光の規定)を用いることで、採光基準を満たしつつ、通
常であれば外部となるところに廊下(兼避難経路)を設けた平面計
画となっている。また、病院の中央部には、各病室に隣接するよう
にスタッフステーションが設けられている。このような採光計画及
び平面計画に意匠上の特徴がある。
改正意正法により、建築物の外観などの意匠を保護することがで
きるようになり、企業のブランドイメージを高めるような独創的な
建築物が登録されています。病院以外でも、建築物の意匠として、
意匠登録第1671773号「商業用建築物」(株式会社ファーストリテイ
リング)や意匠登録第1671774号「駅舎」(東日本旅客鉄道株式会社)
などが登録されています。
https://www.meti.go.jp/press/2020/11/20201102003/20201102003.html
ビルや店舗の建物だけでなく、工場、倉庫、ホテル、学校、博物
館、競技場、商業施設と住居の複合建築物など、あらゆる建築物を
登録することが可能です。今後も企業ブランドのシンボルとなるよ
うな建物の意匠登録が増えていくと思われます。