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審査請求料、特許料等を1/3に軽減(特許庁)

2018年08月23日

中小ベンチャー企業、小規模企業を対象とした特許料等の軽減措

置を規定した「産業競争力強化法等の一部を改正する法律」が7月

9日に施行されました

これにより、中小ベンチャー企業、小規模企業を対象に「審査請

求料」、「特許料(1~10年分)」、国際出願に係る「調査手数料・

送付手数料」、及び国際予備審査請求に係る「予備審査手数料」が1

/3に軽減されます。

https://www.jpo.go.jp/tetuzuki/ryoukin/chusho_keigen-fromh300401.htm

 

平成30年3月31日までは、産業技術力強化法や中小企業のもの

づくり基盤技術の高度化に関する法律等に基づいて、特許料等に対

する軽減措置が適用されていましたが、4月1日に、この軽減措置

が廃止されました。

そこで、7月9日から、これらの法律に代わり、「産業競争力強化

法等の一部を改正する法律」に基づく軽減措置が施行されました。

 

◆対象者◆

  1. 小規模の個人事業主(従業員20人以下(商業又はサービス業は

5人以下))

  1. 事業開始後10年未満の個人事業主
  2. 小規模企業(法人)(従業員20人以下(商業又はサービス業は5

人以下))

  1. 設立後10年未満で資本金3億円以下の法人

※c及びdについては、支配法人のいる場合を除く。

◆軽減措置の内容◆

審査請求料 :1/3に軽減

特許料(第1年分から第10年分) : 1/3に軽減

調査手数料・送付手数料 : 1/3に軽減

予備審査手数料 : 1/3に軽減

 

特許料は、平成30年7月9日以降に出願審査の請求をする特許

出願及び平成26年4月1日から平成30年3月31日までに出願

審査の請求をした特許出願に係る特許料が軽減対象となります。

ただし、平成30年4月1日から同年7月8日までに出願審査の

請求をした特許出願についても、同年7月9日以降に特許料を納付

する際には、その特許料が軽減対象となります。

 

また、中小ベンチャー企業や小規模企業が特許協力条約に基づく

国際出願を行う場合の「国際出願手数料」や国際予備審査請求を行

う場合の「取扱手数料」について、納付金額の2/3に相当する額

が「国際出願促進交付金」として交付されます。

 

 

●特許審査に関する新たなベンチャー企業支援策(特許庁)

 

特許庁は、7月9日から特許審査に関する新たなベンチャー企業

支援策を実施しています。

https://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/patent-venture-shien.html

具体的には、①ベンチャー企業対応面接活用早期審査(面接活用

審査)と、②ベンチャー企業対応スーパー早期審査(スーパー早期

審査)で、いずれも「ベンチャー企業による出願」であって、「実施

関連出願」が対象となります。実施関連出願とは、出願人自身又は

出願人からその出願に係る発明について実施許諾を受けた者が、そ

の発明を実施している特許出願です。

 

面接活用審査は、面接を通じて、面接官に直接技術的特徴を説明

することできます。一次審査結果の通知の前に担当面接官と面接を

行うことができるので、早期審査のスピードで質の高い特許権を取

得することができます。

スーパー早期審査は、何よりも早く特許権を取得したいというニ

ーズに応えるもので、平成29年度の実績をみると、平均約2.5

か月で権利化が可能です。

面接活用早期審査とスーパー早期審査は、特許庁に対する費用は

無料です(通常の審査請求料は必要)。

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