2018年06月29日
改正商標法が平成30年6月9日に施行され、商標登録出願の分
割要件が強化されました。
商標の分割出願とは、一つの出願の指定商品群を分けて複数の出
願に分割できる制度です。分割した出願(子出願)の出願日は元の
出願(親出願)と同じ日として扱われます。
本改正により、もとの出願が手数料未納により却下されたときは、
分割出願の出願日は、もとの出願の出願日には遡及しないこととな
りました。
これまでは、商標登録出願の分割を行う場合、新たな出願(子出
願)の出願日が、もとの出願(親出願)の日に遡及するという効果
が生じ、出願人は親出願の日から先願の地位を確保できましたが、
分割出願をしようとする者が、親出願の出願手数料の納付義務を果
たしていない場合にもこれを認めることは適切ではないと判断され
ました。
最近、一部の出願人から他人の商標の先取りとなるような商標登
録出願が大量に行われており、しかも、これらのほとんどが出願手
数料の支払いのない手続上の瑕疵ある出願となっていることが問題
となっていました。
このため改正法では、親出願の出願手数料を納付したものに限り、
分割出願について、出願日の遡及という効果を与えることとしまし
た。これにより、分割出願があっても、後に出された出願を従来よ
り早く登録することが可能となります。