2019年06月28日
公正取引委員会は、大企業が下請け先の中小企業などから知的財
産権や生産ノウハウを不当に取得している事例を約730件確認し
たと発表しました。
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/jun/190614.html
中小製造業者3万社を対象とした公正取引委員会の実態調査では、
企業機密の設計図やノウハウの開示を強要されるケースが目立ちま
した。このうち取引先に製品を納めるだけの契約だったにもかかわ
らず、設計図やデータの開示や提供を強いられたケースが254件、
共同の研究開発の内容を取引先に一方的に与える契約にされたケー
スが131件、設計図などを安い価格で買いたたかれたケースが116
件ありました。取引先が不当に得たノウハウや知的財産を使って内
製化するなど、実際に不利益が生じたケースもありました。
製造業者がこうした取引を受け入れざるを得ない理由としては
「断ったら今後の取引に影響があると判断した」との回答が最も多
く36%を占めています。
公正取引委員会は、大手企業が優越的な地位を利用して、取引先
の中小企業などに不当に不利益を与えていれば、独占禁止法で問題
になるとして、業界団体を通じて改善を促します。悪質だと判断し
たケースについては、勧告などの行政処分に踏み切る場合もありま
す。