2020年07月07日
がんの治療薬「オプジーボ」につながる研究で、2018年にノ
ーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学の本庶佑特別教授は、「オ
プジーボ」の特許使用料をめぐり、薬の製造販売を手がける小野薬
品工業に対し、特許使用料の分配金約226億円の支払いを求め、
大阪地裁に提訴しました。
訴状によりますと、オプジーボの特許権を本庶教授と共同で申請
している小野薬品工業は、類似薬を製造する米国の製薬会社に対し
特許を侵害しているとして訴えを起こし、製薬会社が売り上げに応
じた特許使用料などを支払うことで和解しました。本庶教授は要請
を受けて訴訟に協力した対価として、小野薬品工業が得た金額の4
0%を支払うという説明を受けていたとしています。
しかしその後、小野薬品工業から一方的に支払いを1%にすると
いう通知が来たということで、本庶教授は、当初説明を受けていた
40%分にあたる226億円あまりの支払いを求め、大阪地裁に提
訴しました。提訴を受けて小野薬品工業は本庶教授の主張に反論したうえで
「当社の正当性について司法の場で主張していく」として、裁判で
争う姿勢を示しています。