知的財産報告書

知的財産報告書の概要

知的財産報告書とは、知的財産の実績、基盤および取り組みなど、自社の知財戦略を開示したものです。IR(インベスター・リレーションズ)の一環として知財戦略を開示することにより、ステークホルダーとの継続的なコミュニケーションを通じて企業価値の向上を図ります。最近では、大企業のみならず、中小企業や中堅企業でも、自社の知財戦略を積極的に開示するツールとして注目されています。

知的財産報告書の開示内容

報告書媒体としては、会社概要の一部、アニュアルレポートの一部、あるいは独立した報告書など、各企業の規模や目的に応じて様々な形態があります。知的財産報告書の開示内容は、例えば以下の項目などが挙げられます。弊所では貴社の要望や開示目的に応じて最適な知的財産報告書をご提案・作成致します。

開示項目例

開示項目例
知的財産報告書例

知的財産報告書のメリット

メリット1.株主や投資家に対して自社の知財戦略をアピールできる

近年のディスクロージャーの流れの中、企業には株主や投資家に対して自社の経営戦略を迅速かつ正確に開示する責任が求められています。この自社の経営戦略の中でも、特に知財戦略の開示が注目されています。知的財産報告書を通じて、株主や投資家に対して自社の知財戦略をアピールすることができます。

メリット2.銀行などで融資を受ける際に有利である

銀行が企業に融資する際に、企業の事業や財務などの情報のほかに、企業の知財に関する情報が重視されるようになってきました。事業や製品を守るために知財戦略を推し進めていても、それを客観的かつわかりやすいように開示していなければ、せっかくの事業や製品の優位性も低く評価される虞もあります。このため知的財産報告書を通じて自社の知財の状況や戦略を開示することにより、事業や製品の優位性が適正に評価され、銀行などで融資を受ける際に有利になります。

メリット3.取引先に対する信用力が向上する

特に中小企業が取引先、とりわけ大企業の取引先と取引する際に、知財の状況やリスクの開示を求められる場合が多くなりました。このときに自社の知財の状況やリスクを十分に説明することができなければ、取引先の信用を失うことにもなりかねません。このため知的財産報告書を通じて自社の知財の状況やリスクを開示することにより、取引先に対する自社の信用を向上させることができます。

メリット4.企業イメージやブランド価値が向上する

最近では企業のコンプライアンスが、法的意味合いのみならず、企業のイメージやブランド価値を構成する要因となっています。自社の知財を取得するだけでなく、不法な侵害を許さない態度、そして同時に他社の知財を侵害しない態度として知財コンプライアンスを示すことが重要です。このため知的財産報告書を通じて知財コンプライアンスを示すことにより、企業イメージやブランド価値を向上させることができます。

メリット5.適正な株価を形成する

企業によっては必ずしも自社の価値を十分に評価してもらえず、適正な株価を形成していない場合もあります。このときにIRの一環として知的財産報告書を通じて知財に関する情報を迅速かつ適正に開示することにより、現在から将来への製品や事業の優位性を維持するための知財戦略を理解してもらえれば、自社の価値の適正な評価につながり、ひいては適正な株価を形成することができます。

totop